血液検査基準値と採尿方法

血液検査の基準値は使用している検査機器や動物たちの個体差で若干変わってきます。ただ、基本的な数値は概ね変わりませんので参考にしてください。

尿検査は動物たちを病院に連れてくる必要がありませんので、検体のみを病院に持参頂ければ15分~20分程度で結果をお知らせすることが出来ますので、尿の回数が多いな、ご飯は食べているのに痩せてきたな、など何か気づきがあったときは率先して尿検査を受けるようにしてください

血液検査結果の基準範囲値

動物の血液検査は、動物の健康状態を把握する上で重要です。血液検査では、赤血球や血小板、白血球などの形や種類、数を詳細にチェックすることで、次のようなことがわかります。

  • 貧血や高脂血症などの有無
  • 腎臓や肝臓の機能に問題はないか
  • フィラリア(犬糸状虫症)などの感染症はないか
  • 腫瘍細胞はないか
  • 骨髄に異常はないか

血液検査は、具合が悪いときだけでなく、健康診断時にも行うことで、病気の早期発見や早期治療につながります。特に犬猫は狩猟動物のため、自分の体が弱っていても周囲に知られないように表情に出さないと言われています。飼い主さんが症状を察知したときにはすでに病気が進行していて手遅れの場合もあるため、定期的な健康診断が重要です。

当院では、右図一覧表がワンちゃん、ネコちゃんの血液検査結果の基準範囲値として比較する目安にしています

(富士フィルム ドライケムNX600 使用時)

通常、血液検査は1時間ほどで結果をお伝えすることが出来ます。

血液検査の結果が出るのを病院で待って頂くか、お時間のない飼主さんには、PDFをメールで送信したのち院長よりお電話して説明、ということも可能です

尿を採取

動物病院では尿を採取するのにウロキャッチャーという特殊スポンジで作られた衛生的かつ簡単に使える採尿器を使用しています。

ウロキャッチャーには棒の先端に特殊スポンジがついていて、尿をすばやく吸収することができます。

ただ、ネコちゃんの採尿にはウロキャッチャーを使うのはかなり難易度が高いです。

ネコちゃんの採尿の場合は、ペットシーツなどで排尿をしている場合、裏面のツルツルしている側を上にしてもらい、そこに溜まった尿をウロキャッチャーで吸収して採尿することが出来ますので試してみてください。

ウロキャッチャーが使いずらい場合、紙コップなどに入れてきて頂いても大丈夫です。

ただ、尿を吸収したペットシーツを持って頂いても、市販のペットシーツは吸収性が高く尿を絞ることが出来ず検査することが出来ませんのでご注意ください。